# テーマ築40年の平屋をフルリノベーション|回遊導線と大容量収納で叶えた快適な暮らし
当初、この物件は「古屋付きの土地」として売られていました。
実際に現地を訪れると、差し込む光や風が抜ける心地よい空気感が漂い、築40年の平屋でありながら大きな可能性を感じました。
施主様はもともと平屋を希望されていたこともあり、この家の持つ雰囲気に惹かれ、既存の構造を活かしてフルリノベーションを進める方向で計画が始まりました。
古さを理由に壊すのではなく、構造を見直し、必要な部分に手を加える。
現代の暮らしに合う導線・空間設計を取り入れることで、新築にはない深みと個性を宿した住まいが完成しました。

お客様のご希望
施主様は小さなお子様のいるご夫婦。
「家族でのびのびくらせること」「好みを反映した内装」「収納と家事導線の効率化」を主なご要望としていただきました。
特に以下のポイントを重視:
・食事、学習、趣味など多用途に使える造作カウンターテーブル
・配線やゲーム機器をすっきり隠せるテレビ裏収納
・効率的な家事導線と大容量の収納
・料理をしながらお子様を見守れる子育て空間
ご希望を聞き、
どんな提案をしたの?
お話を伺う中で感じたのが、施主様が家族の時間をとても大切にされているということでした。
リビングに造作カウンターテーブルを設けたいというご要望や、テレビ裏に収納を設けて生活感を抑えたいという希望は、見た目の美しさや機能性だけでなく、家族の時間を快適に育むための工夫が込められていました。
同時に、効率的な家事導線や大容量の収納を重視されており、「暮らしの快適さをどのように整えるか」が計画の大きなテーマとなりました。
そこで私たちは、既存の平屋が持つポテンシャルを最大限に活かしながら、光を取り込み、空間を緩やかに繋ぐことを設計の軸としました。
独立していたキッチンの壁を取り払い、LDKを一体化することで開放感を確保。
リビングにはテレビ裏収納を設け、視覚的なノイズを取り除くことで、すっきりと洗練された空間を計画しました。
キッチンからパントリー、ランドリールーム、屋根がある外の物干し場へと繋がる回遊導線を整え、家事の流れがスムーズにすることで、日々の暮らしにゆとりが生まれる工夫をしました。


Make myself
comfortable design
北欧ナチュラル×モダンカフェスタイルが調和する広々LDK
リビングはナチュラルな木目と白を基調としつつ、カウンターテーブルの壁面にモダンなグレーの壁紙を取り入れ、昼は奥様の好きな北欧ナチュラルらしく明るく優しい表情を。夜は照明を絞って、ご主人の好きなシックで落ち着いたカフェスタイルを演出しました。


光の移ろいによって印象が変わるのも魅力です。

造作カウンターテーブルは、暮らしのシーンに合わせて使い方が広がる多用途スペースです。ご夫婦の趣味や仕事を支える場として、お子様の成長を見守ったりと「家族のコミュニケーションの場」のような存在になっています。

当初は対面キッチンをご希望されていましたが、リビングとの一体感と作業スペースの広さを両立させるため、L字型キッチンをご提案しました。


独立していたキッチンの壁を取り払い、光が行き渡る見通しのいい空間へと再構築。
キッチン・ダイニング・リビングが緩やかにつながり、家族がそれぞれの時間を楽しみながらも自然と寄り添える場となりました。

リノベーションでは、構造上どうしても柱が残る場合があります。今回のLDKも、元々は洋室2室とDKに分かれており、細かく区切られた空間を明るく広いLDKへと繋げるために、間仕切りの壁を取りのぞきました。
壁をなくすことで構造が弱くならないよう、天井裏の梁を太くして補強。その荷重を支えるために残したのが、このリビング中央の柱です。
住まいを支える柱でありながら、お子様の描いた絵を飾ったりと、思い出や日常を映し出すインテリアとしての役割も担っています。
配線や機器を見せない、快適リビングの工夫
リビングでどうしても目立ってしまうのが、テレビ周りの配線やゲーム機器です。雑多さが視線に入り込むと、せっかくのインテリアも落ち着きを失ってしまいます。


そこで壁掛けテレビを採用し、その背面に機器や配線をまとめて隠せるテレビ裏収納を設置しました。

見えない場所に専用スペースを設けることで、生活感を抑え、掃除もしやすいすっきりとしたリビングに。
ご主人が希望された「ゲームに没頭できるリビング」が、デザインと機能の両面から叶えられたかたちです。
既存のタイルを活かした玄関
玄関のタイルは既存の六角形のタイルをそのまま活用しました。長い年月を経ても色あせない素材感が、新しく整えられた空間に味わいを添えています。


壁や床、照明を刷新することで全体の印象は大きく変わりましたが、タイルが残ることで、この家が歩んできた時間をそっと引き継ぐデザインとなりました。


明るい木目の床材と淡いグレーの壁紙を採用し、ナチュラルで開放的な雰囲気に一新。新旧の素材が調和し、家に入った瞬間に心地よさを感じられる空間へ。
玄関の土間収納
玄関周りには、靴を履いたまま使える土間収納を設けました。外で使うアウトドア用品やベビーカーなどもそのまましまえるため、日常の出入りがスムーズに。


リビングに持ち込む前に荷物を整理できるので、家全体をすっきりと保てます。
大容量のウォークインクローゼット
もともと和室脇にあった広縁と名のついた、掃き出しの窓のある廊下は、お庭に面していないため活用の幅が限られていました。その空間を現代の生活に合わせて、掃き出しの窓を閉じ大容量のウォークインクローゼットへ。

R壁のネイビーとイエローの配色は空間に奥行きを与えると同時に、直線が多い平屋の間取りに彩と柔らかさを添え、アクセントを加える存在に。


洋服やアクセサリーを機能的に収納できるだけでなく、お気に入りを並べてディスプレイ感覚で楽しめる「魅せる収納」としました。来客時や生活スタイルに合わせてカーテンで隠すこともできます。
家事を助けるのは、L字型のキッチンと回遊動線
大容量パントリーからランドリールームへ直接つながる設計で、料理・収納・洗濯の流れがスムーズに。効率的でストレスの少ない日常をサポートします。


効率的な家事動線や大容量収納の土間収納・ファミリークローゼット・パントリーなど、日常の暮らしを整える機能的な要素も欠かせません。
使いやすさと心地よさを両立させた水廻り
日々の暮らしを支える水廻りは、シンプルで使いやすく、心地よさを感じられる工夫を施しました。


脱衣所は物干し用のアイアンバーを設け、雨の日でも気兼ねなく洗濯物を乾かせる、実用性の高い空間となっています。

洗面化粧台は造作とし、日常に馴染むデザインでありながら、使うたびに気持ちが整うような特別感を加えました。
焼杉と塗装のコントラストが映える外観
既存の屋根を活かしつつ、焼杉の深みのある質感とブラック塗装のコントラストが、シンプルでありながら印象的な佇まいへ。
素材の力強さに現代的なディテールを重ねることで、落ち着きと新しさが調和する外観となってます。窓はそれぞれの部屋の用途に応じて配置を見直し、自然光とプライバシーを調整しています。



中古物件+リノベーションには、新築では得られない余白と自由があります。古さを活かし、時間を重ねてこそ生まれる、唯一無二の住まいです。
理想を諦めず、家づくりの選択肢をグッと広げます。
Flow - 家づくりの流れ
家づくりは、土地・物件探しとプラン作り、融資関係の手続きまで、全体のバランスをみて進めていくことが大切となります。
資金関係では、土地・建物・解体費や地盤調査と家の建築費・家具やカーテンの購入費、そして不動産取得の手数料など、トータルで考えないと最後の最後で家具が買えない、とか、途中に無理が出た、とか、逆に、まだ余裕があったのだから、あの時性能を上げればよかった、などとなることもあるため、最初の資金計画から一緒に考えていければと思います。

