# テーマ階段を一番の見せ場に持ってきて、リビングの空間の感じ方を変えました。
ご夫婦2人で住むために、奥様のご実家をリノベーションしたいとご相談がありました。
お家はお母様のご趣味で、アメリカンカントリー調で、山小屋風に作られていました。
ご実家の改築で、リビングを広くするために壁をなくして…と、そんな安易な改築をすると寒くなったり、収納がなくなり、ごちゃごちゃしてしまった…と失敗しがちですが、この事例は、逆に壁を作ったのに、広く感じるリビングになった!と、空間の作り方次第で、驚くリノベーションになりました。

お客様のご希望
お母様の好きだったカントリー風の家。小さな頃から家族で暮らした家だから愛着いっぱい。
でも、せっかく改築するなら、自分達らしく一新させたい!という思いも抱えていらっしゃいました。
これから歳を重ねていく中で、
・急な階段が怖い
・お風呂が狭い
・小さな衣裳部屋をご主人の寝室にしたい
・外に洗濯を干さなくていいように洗濯室を作りたい
・トレイが2つ欲しい
などの使いづらさを解消していきながら、自分達の好きなテイストを加えて、居心地の良い家にしていきたいと希望されていました。
ご希望を聞き、
どんな提案をしたの?
雰囲気のある素敵な家だったのですが、全体的に暗い印象でした。
急な階段は危ないし使いづらい。ただやっぱり2階に2部屋、広いお部屋があり、そこを使いやすくするために2階に上がる階段をどこにかけるかを考えました。
リビングに入って一番目に入る場所に象徴的に階段をかけることで、この部屋の暗さや狭さが緩和できるのではないかと思い、階段をリビングの愛でポイントとして大胆に配置する提案をさせて頂きました。
慣れ親しんだ雰囲気を活かしつつ、好みをプラスしていく方向で話が進みましたが、ご夫婦の好みはバラバラ。
・奥様の好みは、北欧風
・旦那様の希望は、アメリカン風
ベースは、
お母様が大切にしてきたカントリー風
資金的にも全部をフルリノベーションすることはできないと分かっていたため、バラバラなテイストを上手く馴染ませ、空間の使い方で、広さと居心地の良さも感じられる提案をさせて頂きました。


Make myself
comfortable design
階段を一番の見せ場にするため
リビングの一番大きな壁面に配置
元々のカントリー調と馴染ませながら、暗くて、少し古い感じを、どのように明るいイメージに変えていくかがリノベーションの一番のポイントでした。そこでリビングに入って一番に目がいく場所に、一番大きな壁面を作り階段を配置し、大胆なカラーのクロスを貼りました。

家が暗かった原因は、床も壁も天井も木材だったことです。木材が光を吸収してしまい、部屋が暗くなってしまっていました。
そこで一番大きな壁面を作り、カラークロスを配しました。
ただし、大きい面に濃い色のクロスを貼っただけだと、間抜けな空間になってしまいます。そのため絵や照明のバランスや分量を計算してアイポイントを作ることを前提にしないと、ここまでの色は選べません。ただ好きな素材を選ぶだけだと、目障りなポイントになってしまう事もあります。

絵や演出照明を配置し、目に見える情報を操作することで、広さや落ち着き感を作り出しています。

空間の明るさは、目に入ってくる面の大きさと
その面をどういう明かりで照らすかで作り出す
一番天井の高かったキッチンを、あえて天井を落として、そこに白いクロスを貼ることで、目に入ってくる白の分量を増やしました。

そこが清潔な白であることで、より階段側の縦に伸びる空間が大きく感じられます。キッチン側を下げるから、階段側が高く感じるのです。

また梁を横じゃなくて上り梁にして、それを揃えていく事で、より上に伸びる空間になりました。
階段の手前にも梁があり、そのまま残しても別に階段は上がれるし、取る方が大変なので普通だったらその横の梁は残したまま階段を作るのですが、大きく作った壁面に横のラインがあると、空間が分かれてしまいます。
そうすると目線が上に伸びて行かず、止まってしまい、広さや天井が高いなという感覚が失われてしまいます。そのため手間はかかりますが、絶対に横の梁を架け替える必要がありました。

そのおかげで、リビングは広さとしては狭くなっているはずなのに、逆に広さを感じる空間になっています。

一般的に、元の空間より“畳数”が減ることに対して、ほぼ全てのお客様は抵抗を感じられるのですが、広さは決して“畳数”だけで判断はできず、見え方、感じ方は様々な要素が関係してきます。
木と白の配分を調整することで、明るさと清潔感が生まれる
キッチンは元々は天井がすごく高く、ダクトが丸見えになっていたり、雑然とした空間でした。天井の高さを落として配管も見えないようにして、元々の木の壁部分も調整して少なくすることで白い綺麗な面を増やしています。
既存を残した木の腰壁はそれでもモダンに映えるよう、カウンター部分はホワイトで作り直し、ライティングを集中させることで清潔感が生まれるように設えています。

ただ白いクロスとタイルを選ぶと、アパートっぽくなってしまうので、ツヤ感とインダストリアル感がでるような質感や目地色を選んで、旦那様好みのカッコ良さを作りました。
アイポイントとなる照明も、少しグリーンで、壁にある青と黄色を混ぜた色であるグリーンに合わせています。照明の色など細かい部分ですが、この配色をしっかり調和させてあげるから、いろんな色や素材を取り入れてもバラバラにならず、馴染みます。
キッチンは大きさや場所は変わっていないのに、空間の感じ方は大きく変わりました。
ご夫婦それぞれの好みの部屋を作るけど、繋がる空間に
旦那様の部屋を、1階に作りたいとのことだったのですが、それは本当に暮らしやすいのだろうかと疑問に思い、お話をしっかりさせて頂きました。よくお話を聞いてみると、部屋を1階に作りたい理由は既存の階段が怖いためでした。
階段を新しくすれば、2階の広い空間の方が落ち着いてゆっくりできるよね、というお話になり、1階に収納スペースもちゃんと確保しておかないと、結局リビングに物が溢れてしまって雑然とした空間になってしまうので、ちゃんと脱衣空間と洋服をしまえる場所を作りましょうという提案をしました。

旦那様の部屋は屋根の形状に合わせた三角の天井になっていて低いのですが、ベッドを置くとそこがすごく大人の隠れ家感があり、アメリカンな雰囲気の旦那様に合っていて素敵です。

2階は渡り廊下みたいになっていて、青色の壁が見えたり、下のキッチンを覗くこともでき、朝起きておはようって言った時に、奥様のいるキッチンが見える感じが、自由な大人の生活という感じでとても良い雰囲気になりました。

2つのトイレと、アイポイントにもなる脱衣所
トイレは2つの設置を希望されていたため、横から縦の配置に変更して2つ設置しました。ご夫婦それぞれの好みに合わせて、壁紙で雰囲気を変えています。

お風呂も狭かったため、広くしました。窓は断熱性を上げるために無くしています。
古いお風呂は、またいで入ったら浴槽の方が低くて、洗い場の方が高い作りになっています。それだとお風呂に入る時の姿勢の悪さで、中で転んでしまう事が多いので、安全性に配慮して、浴槽の洗い場も同じ高さになっているユニットバスに変えました。
リビングに入って階段の方向を見たときのアイポイントにもなる脱衣所には、グリーンのタイルとチェック柄のクロスを貼りました。ご趣味の推し活を密かに楽しめるようにマグネットウォールも設置しました。


すごく広い脱衣所に変わり、使い勝手も良くなりました。

玄関は、タイルだった床をモルタル塗りにして、壁と天井は元の木のままですが、スタイリッシュなホワイトの収納をつけ、照明を当ててあげることで明るい雰囲気を作っています。
断熱や補強もしっかり行い、床下は綺麗でしたが、配管はかなり古かったので全て新しく取り替えを行っています。
理想を諦めず、家づくりの選択肢をグッと広げます。
Flow - 家づくりの流れ
家づくりは、土地・物件探しとプラン作り、融資関係の手続きまで、全体のバランスをみて進めていくことが大切となります。
資金関係では、土地・建物・解体費や地盤調査と家の建築費・家具やカーテンの購入費、そして不動産取得の手数料など、トータルで考えないと最後の最後で家具が買えない、とか、途中に無理が出た、とか、逆に、まだ余裕があったのだから、あの時性能を上げればよかった、などとなることもあるため、最初の資金計画から一緒に考えていければと思います。

